リハビリ教育体制
当院では、安全で質の高いリハビリテーションを提供するため、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士共通のキャリアイメージをもち、新人教育をはじめとした中長期的な教育体制を整備しています。そして、段階的に設定された到達目標を目安に、高い専門性を備えた療法士を育成しています。
また、リハビリテーション部教育体制として、回復期リハビリテーション病棟に加えて法人内の急性期病院、病院内の療養病棟、障害者病棟、介護老人保健施設を経験できるようにローテーション研修も取り入れています。急性期から回復期、維持期、地域での生活期までのすべての期間と、脳血管疾患を中心に脊髄損傷や神経筋疾患、また上肢下肢骨折などの運動器疾患、さらに術後の廃用症候群など幅広く疾患を経験できます。
教育の理念、基本方針
リハビリテーション部教育の理念
患者さんの笑顔に貢献するため、安全で質の高いリハビリテーションを、あらゆる場面で提供できる療法士を育成します。
リハビリテーション部教育の基本方針
自己研鑽、自己管理を基盤とします。
段階的到達目標に応じて、個別指導によるOJT重視の教育を実施します。
段階的到達目標
*プロフェッショナル、マネジャーとしての資格取得イメージと取得者数
・修士課程修了(3名)
・各職種(PT・OT・ST) 認定療法士(18名・-・2名)
・PT・OT・ST養成施設等教員講習会(2名)
・セラピストマネジャー(1名)
・3学会合同呼吸器療法認定士(10名)
・地域包括ケア推進リーダー(6名)
・フレイル対策推進マネジャー(3名)
・心臓リハビリテーション指導士(1名)
・公認心理師(1名)
・摂食嚥下認定療法士(5名)
・介護支援専門員(5名)
・介護予防推進リーダー(7名)
・地域包括ケアコーディネーター(1名)
・NST専門療法士(1名)
・臨床神経心理士(1名)
(2022年7月1日現在)
OJTについて
OJTとは、日常の業務の中で、計画的に個別に指導育成されるものです。当院では、OJTを中心とした専門職教育を行っています。
OJTでは、基本的な関わり方、安全管理の方法から、理学療法、作業療法、言語聴覚療法の技術指導を現場で行います。その場で適切な行動への修正を行うこと、また必要に応じて治療を交代し、結果を見せながらフィードバックできることが、大きなメリットです。その目的は、熟練療法士の多様性に触れることで、自分の知識・技術を振り返り、自らの多様性を磨くことにあります。
新人教育について
新入職療法士には、それぞれに「新人担当療法士」が1人ついています。同じ職種の、 経験5年目以上の療法士が担当します。日常業務のいろはから、症例のすすめ方など、 何でも気軽に相談できるところが好評です
研修について
教育段階に応じた集合研修
リハビリテーション部教育の目標段階ごとに、グループワークなどの集合教育を行います。
専門職種(理学療法、作業療法、言語聴覚)での研修会
理学療法士、作業療法士、言語聴覚士それぞれに、症例検討や研修会も行い、専門職としてのつながりも大切にしています。
JOBローテーションについて
社団内の各事業所に療法士が配属されており、急性期(若草第一病院)、生活期(介護老人保健施設竜間之郷、在宅部門)での業務も経験することができます。
【 若草第一病院】
【 介護老人保健施設 竜間之郷 】
若草第一病院
- ・急性期である若草第一病院では、主に脳神経外科(脳卒中センター)、整形外科(人工関節センター)、循環器内科、消化器内科、外科等の疾患に対して、リハビリテーションを提供しています。
- ・初期研修は6か月(2~3年目)、中期研修は1~2年(3~5年目)。
- ・研修目標は、病態把握、リスク管理、他職種連携です。
- ・回復期リハビリテーション病棟では、診ることのない疾患も多数あり、6か月のJOBローテーション研修は非常に貴重な経験となります。また、発症早期から関わることが多く、病態を把握し、安全に適切なリハビリテーションを提供する必要があります。
- ・さらに、回復期リハビリテーション病棟に比べ患者さん1人あたりに実施するリハビリテーションの時間が少なくなるため、病棟看護師によるリハビリテーションや看護師との情報共有などの連携が重要になります。
- ・研修終了後も、急性期で担当していた患者さんを回復期で引き続き担当することもあ るため、発症からの経過を診ることができることも研修の良い点のひとつです。
介護老人保健施設 竜間之郷
- ・竜間之郷では、自立支援や在宅復帰、ご自宅での生活をより良く維持できるように、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士が勤務し、医師と連携しながら利用者の皆様それぞれに適したリハビリを提供しています。
- ・生活していく上で必要な、起居動作や歩行動作等の基本動作の訓練も行いますが、生活場面の中で活かせる動作訓練を実践することによって、在宅生活につなげています。
- ・また、身体機能だけでなく認知症に対するリハビリにも力を入れており、なじみのある作業や学習療法等を行い、精神機能の活性化を図り、自発性・集中力・意欲面の向上によって、ご自分で行える生活動作を取り戻すことを目的としています。
在宅部門
- ・在宅部門では、現在理学療法士、作業療法士、言語聴覚士が自宅に訪問して、リハビリテーションを行っています。より幅広い見識が必要なため、経験豊富な療法士が、しっかり在宅生活をサポートしています。
外部講師による指導
各専門職のスペシャリストである外部講師により、定期的な個別指導を受けられる体制もあります。
臨床実習受け入れについて
当院では、理学療法、作業療法、言語聴覚療法共通の実習受け入れ指針のもと、後進育成のため実習指導を行っています。また、当院の教育体制と連動し、実習指導者の質の向上を図っています。各職種にて養成校との連携を強化しており、指導経験豊富な実習担当者が揃っています。また、実習指導者が実習指導に必要な要件である実習指導者講習会(*PT・OTのみ)の受講も進めています。
2021年度 受け入れ実習生数
理学療法 32 名
作業療法 19 名
言語聴覚療法 21 名
*見学実習は除く
当院は一般社団法人日本作業療法士協会による基準を満たした「作業療法士臨床実習指導施設(認定番号31号)」施設です。
実習指導者講習会修了者数
理学療法士 33 名
作業療法士 15 名
*法人全体での修了者数
中途入職をお考えの方へ
臨床経験のある理学療法士、作業療法士、言語聴覚士の中途採用も行っています。
それぞれの経験を加味したうえで、当院リハビリテーション部教育プログラムを適用します。お気軽にご相談ください。